大井町議会基本条例

大井町議会基本条例

制定:平成20年9月5日 条例第23号

 町民に選ばれた議員により構成される大井町議会(以下「議会」という。)は、町民の代表機関であり、執行機関の監視はもとより条例の制定、予算・決算等の議決を通じて政策に関する最終的な意思決定の権限を有し、責任を負っている。

 社会経済の変化や価値観の多様化に伴い、地域社会の課題が山積している。議会は、自らの特性を活かしてこれらの課題に取り組み、自由かっ達な討議を通して町政上の論点、争点を明確に開示するとともに、町民参加と協働を基軸に、町民の福祉の向上を図り、元気で温かな地域づくりを推進していかなければならない。

 このような認識のもと、議会の活性化を図りつつ町民の信託にこたえ、信頼され存在感のある議会となるため、この基本条例を制定する。

大井町議会基本条例

(目的)
第1条 この条例は、自主自立が求められる時代の要請にこたえるため、議会の運営及び議員の活動に関する基本的事項を定めることにより、議会が町民から期待された行政監視の役割を果たし、政策形成の機能を発揮するとともに、町民とともに協働の運営を進めることによって、町民の福祉の向上と活力に満ちた地域づくりに資することを目的とする。

(議会の活動原則)
第2条 議会は、町民を代表する議事機関として、町長その他の執行機関の活動を住民の立場に立って監視するとともに、自ら活力に満ちた地域づくりのために必要な政策を立案して決定し、推進しなければならない。

2 議会は、前項の活動に当たっては、町民に必要な情報を提供し、その多様な意見を反映させるとともに、町民とともにまちづくりの活動を推進するため、町民参加と協働を基軸にした議会運営に努めなければならない。

3 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)その他の法律で定める活動を誠実に実施するために、この条例に規定するもののほか、議会運営の基本となる大井町議会会議規則(昭和58年大井町議会規則第1号)の内容を継続的に見直すものとする。

(議員の活動原則)
第3条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討論の推進を重んじなければならない。

2 議員は、町政全般について課題及び町民の意見や要望を的確に把握するとともに、自らの能力を高め、町民の代表としてふさわしい活動をするものとする。

3 議員は、個別的な事案の解決だけでなく、町民全体の福祉の向上を目指して活動しなければならない。

(町長と議会及び議員の関係)
第4条 議会の本会議における議員と町長及び執行機関の職員(以下「町長等」という。)との質疑応答は、広く町政上の論点、争点を明確にするため、一問一答方式で行う。

2 議長から本会議及び常任委員会、特別委員会への出席を要請された町長等は、議員の質問に対し議長又は委員長の許可を得て反問することができる。

(議会の議決事件)
第5条 法第96条第2項に規定する議会の議決事件は、次のとおりとする。

(1)基本構想に基づく基本計画(総合計画をいう。)に関すること。
(2)法第221条第3項の法人に対する出資及び町が出資することにより当該法人が同項の法人となる当該出資に関すること。

(重要政策の審議等)
第6条 町長等は、総合計画、その他重要な政策を策定しようとするときは、あらかじめ議会又は議員の意見を聴くよう努めなければならない。

2 町長等は、議会の議決を得るべき政策案を提案し、又は前項の規定に基づいて意見を聴こうとするときは、次に掲げる事項を明らかにしなければならない。

(1)政策等の発生源
(2)検討した他の政策案等の内容
(3)総合計画における根拠又は位置づけ
(4)関係ある法令及び条例等
(5)政策等の実施に係る財源措置
(6)将来にわたる政策等の維持管理を含めた財源計画

3 議会は、前項の政策等の提案を審査するに当たっては、立案、執行における論点、争点を明らかにするとともに、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。

(議会における自由討議の拡大)
第7条 議会は、議員による討議の場であることを認識し、町長等に対する出席要請を必要最小限にとどめるとともに、議員間の十分な討議によって合意が形成されるよう努めなければならない。

2 議員は、議員間の討議については、町長その他の執行機関の意見又は方針にとらわれることなく、自由な討議を基本とし審議を行うよう努めなければならない。

(議会の組織)
第8条 議会は、社会経済の変化等により新たに生じる課題に迅速かつ柔軟に対応するため、委員会の設置その他必要な措置を講じるよう努めなければならない。

2 議会は、法で定める委員会等のほか、町民と議員が自由に意見や情報を交換するために、一般会議を置くことができる。

(議会図書室の設置、公開)
第9条 議会は、議会図書室を設置するとともに、これを議員のみならず、町民、町職員の利用に供するものとする。

(議会事務局の体制整備等)
第10条 議会は、議会又は議員の政策形成等の活動を支援するため、調査機関等としての議会事務局の体制を強化するよう努めなければならない。

2 町長その他の執行機関は、議会又は議員の政策形成等の活動を支援するため、財政措置、情報提供その他必要な措置を講じるよう努めなければならない。

(議員の研修等)
第11条 議会は、議員の政策形成能力の向上等を図るため、議員の研修及び政策研究(以下「研修等」という。)の充実に努めるものとする。

2 町長その他の執行機関は、前項の規定による研修等の実施に協力するよう努めなければならない。

(議会広報の充実)
第12条 議会は、町政に係る重要な情報を議会独自の視点から、常に町民に対し周知するよう努めるものとする。

2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政に関心を持つよう議会広報活動に努めるものとする。

(議員定数及び議員報酬)
第13条 議員定数及び議員報酬は、別に条例で定める。

2 議会は、議員定数及び議員報酬の改正に当たり、町政の現状と課題、将来の予想と展望を十分に考慮するとともに、議員活動の評価等を勘案するため、広く町民の意見を聴取することに努めるものとする。

(議員の政治倫理)
第14条 議員は、町民の代表者としてその倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することによって、町民の疑惑を招くことのないよう行動しなければならない。

(この条例の性格等)
第15条 この条例は、議会運営に関する最高規範であって、議会は、この条例で定める目的、原則等を実現するために必要な事項について条例、規約等を制定し、議会運営の仕組みを体系的に整備しなければならない。

2 議会は、議会運営がこの条例の目的、原則等に即して行われているかどうかを不断に点検し、必要があると認める場合は、この条例の改正その他必要な措置を講じなければならない。

附 則

この条例は、平成21年1月1日から施行する。